構想会議とは
我が国では、年間自殺者が3万人を超えるなど先進国で最悪の状況になっています。まさに「国民のこころの健康の危機」と言える状況が続いています。
心身の健康は、国民ひとりひとりの最低限の権利であるとともに、社会の活力と発展の基盤です。私たちは、国民のこころの健康を推進するための精神保健医療改革の実現に向けて、当事者や介護者(家族)、サービス提供者、研究者等がともに集い、そのあるべき改革の方向性について検討する「こころの健康政策構想会議」を発足させます。
背景
現在、我が国では「精神疾患」が国民の生命と健康を脅かす三大疾患の一つとなっています。しかしながら、我が国の「精神疾患対策」、すなわち、「こころの健康政策」の位置づけは、他の先進諸国に比べ著しく低く、社会としての取り組みが大幅に遅れています。結果として、年間自殺者が3万人を超えるなど先進国で最悪の状況になっています。まさに「国民のこころの健康の危機」と言える状況が続いています。
目的
三大疾患の一つとしての精神疾患にふさわしいサービスの量と質を確保し、「こころの健康について、いつでも、どこでも、良質のサービスを受けられることができる」という国民のニーズに応える社会が実現できるよう、国は「こころの健康政策」の位置づけを高め、そのサービス提供の体制を抜本的に改革する必要があります。
我々はそうした社会の実現を目指し、「こころの健康政策構想会議」を発足させ、「こころの健康政策」の重要性を広く国民に伝えるとともに、国民のニーズに応える精神保健医療改革のビジョンと具体策を検討します。
特徴
この構想会議では、精神保健医療改革の実現を願う精神疾患の経験を持つ当事者やその介護者(家族)、サービス提供者、研究者等、40名以上が集い、精神保健医療改革のビジョンとその具体策について検討を行います。特に、当事者やその介護者が委員全体の約20%を占めることに象徴されるように、「当事者・介護者のニーズを主軸に据えた改革」のあり方を重点的に検討します。
<主な検討課題>
1.  「こころの健康セーフティネット」の構築(精神保健改革)
地域に隈なく張りめぐらせた「精神保健福祉網」により、住民のあらゆる精神保健問題を予防・早期発見
2.  「チーム医療」を当事者に「届ける」、専門医療の充実(精神医療改革)
多職種からなるチーム医療をアウトリーチで提供できる制度の実現とうつ病などそれぞれの疾患に応じた専門医療の充実で「3分診療を30分医療に転換」
3.  こころの介護者を地域社会として支援(家族・介護者支援)
家族(介護者)を地域社会として積極的に支援できる体制作り